甘酒とセリカ。
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「甘酒ないんですか?雛祭りだからやってると思ったのに…」
着物姿の彼女は残念そうだ。
折り目正しいジャケットの彼氏と、エスニックな要素をどこかに取り入れるファッションの彼女。いつからか、そのカップルは酒屋の甘酒を楽しみにやって来る。いつも仲良く楽しげに来店するものだから、こちらも覚えてしまった。

ある正月。彼らはいつものようににこやかにやって来た。甘酒を啜りながら、彼が熱心にミニカーを覗いている。好きなんですか?クルマ、と声を掛けてみた。
「ずっと乗ってるクルマがあるんですよ。セリカのSSⅡなんです。リトラクタブルじゃなくなった」へえ、プレと同じくらいの年式じゃないか。随分気に入ってるんだねえ。
「でもミニカーがないんですよ、探してるんですけどね」と残念そうだった。

セリカは代々個性的なデザインだが、六代目もとりわけ個性的だ。一体型のヘッドランプが主流のなか、独立した4灯ライトを配した独特な、まあ、アクの強い顔立ちをしている。モデル化するには良さそうだが、世のクーペは不人気となっておりGT-FOURという大カンバンの下ではSSⅡの影は薄い。そのミニカーともなればなおさら見つからない。
だが、探し物は意外なところにあるものだ。幹線通り沿いの大きな100均を物色していたら、偶然発見。お、セリカだ‼︎出来は良くないが、独特な顔つきはそれ以外の何物でもない。派手なリアスポイラーもないからまさにSSⅡだ。トミカですらモデル化されなかったのに、こんなところにあるとは!。

あくる年の正月。あのカップルがやって来た。甘酒を渡しながら彼氏に尋ねる。
セリカ、まだ乗ってる?
「乗ってますよ」そっか、まだ乗ってるのか。じゃあ、これ、お年玉。
「……やった…セリカだーーー‼️‼️」
両手の握りこぶしを高々と挙げ喜んでいる。100均だけに軽い気持ちでプレゼントしたのだが、思いの外の喜び様にこちらも嬉しくなる。甘酒を啜りつつ、セリカのミニカーを眺めるカップルは楽しそうだ。

「おめでとうございます」今年の正月もニコニコとカップルはやって来た。
どう?セリカの調子は。すると、意外な言葉が…
「燃えました、セリカ。」
ええ⁉︎どういうこと?驚いて尋ねた。
「東名走ってたら異音がして、停めたら火がでたんですよ」
そ、それじゃあ、廃車?
「原因はミッション辺りのベアリングの摩耗でした。すぐに火は消えたし、パーツ交換で治りました。ついでに調子悪いところも整備して、前よりも良く走るようになりましたヨ。」と言って、甘酒を啜った。「美味しいですね。」

仲良しのカップルを乗せて、セリカはまだまだ走り続ける。





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by match_boxes | 2016-01-17 08:08 | ミニカー莫迦 | Comments(1)

ピンククラウン

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谷岡ヤスジの吹き出しみたいなクラウンのグリルがイヤだったのに、見慣れてきたらカッコ良く見えてくるから人の感性なんてアテにならん。リサイクル屋の棚に不動と書かれたプロポ無しのクラウンが、トミカの半値で転がってたので入手。どーせラジコンとしては使えないから、基盤から配線ぶっちぎり、電池ボックスとスイッチにハンダで直付け。単体で走行できるようにした。舵とりのモーターも生きているのでリモコン化も可能だがメンドくさいからそのうちに。工作と呼べないくらい簡単な工作で電動玩具一丁上がり。
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by match_boxes | 2016-01-08 14:21 | 工作劇場 | Comments(0)

小箱なバーの毎日