再録1999

5/20 とうとう帰国の日が来た。二ヶ月弱というのは長いようで短かった。5:00am起床。ツッチーに紅茶入れてもらい、いつもどおりバカ話。「じゃ、行きますかな?」の一言で出発。外はまだ暗く、曇っていて星も見えない。「運転するか?」というのでハンドル握る。いつも通っていた道をゆっくり走る。ショッピングセンターの交叉点をサーファーズ方向と逆に右折し、ゆるやかな丘をゆったりとしたカーブで越えてゆく。広々とした通りだ。ラウンドアバウトをいくつかこなし、ツッチーの指示通りに行くとハイウェイに出る。すでに通勤が始まっているようで車が多い。

空港の出口を抜け、ラウンドアバウトを越えて駐車場に到着。うむ、確かにここは二ヶ月前に降り立った場所だ。あの日の記憶が蘇る。本当に帰るのか?俺。
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階下へのエスカレーター前では多くの人が別れを惜しんでいるが、実感がない。ツッチーに型通りの礼を言う。「また来っから。」「もう来んな!」なんて言って握手で別れる。

みやげ物色してたら、もう搭乗の時刻。それにしても実感が湧かない。機内に入ってくつろいでたら、オバさん連中に「あなた、席間違ってるわよ!」と言われ、一列ずれて座っていたことに気づく。

JAL762便は日本人ツアー客も乗り込んできて、もう日本語の嵐。このツアー客はずっと日本国内のままで旅してたんだろうなあ。こういう旅と俺の旅と、どっちが正しかったんだろう。しっかし実感が湧かない。ホントに日本に帰るの?俺?。

飛行機はゆっくりと滑走路へ向う。タイヤが路面のゴツゴツを拾って乗り心地が悪い。
灰色に曇ったブリスベンの空をぼんやり眺める。
最初はひとりでブリスベンの街にいったんだよなあ。
ジェットエンジンの音が高まり、乗り心地はさらにガタガタしはじめる。
ああ、シドニーにも行ったなあ。メルボルンも。グレートオーシャンロードも。
アデレードも。エアーズロックも。パースも。そして名も知らぬちいさな町にも。

滑走路をガタガタと飛行機は速度を増してゆく。
いろいろな街の光景と様々な音が急に聞こえ始める。
シドニーの雑踏とサイレンの音。メルボルンのトラムの走り過ぎる音。
ツアーバスで大音響で聴いたU2。アデレードの教会の鐘の音。
エアーズロック頂上の風。ヤリンガップのインド洋の波の音。
グレイハウンドバスのディーゼルエンジン。
ありとあらゆるこの体で聴いた音が洪水のように溢れてくる。
と、そのとき、急にすべての音は消え、飛行機はフワリと宙に浮いた。


               涙が出てきた。


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Commented by かじやん at 2009-05-20 07:09 x
いよいよ旅行も終わってしまうのですねぇ。。。
Commented by match_boxes at 2009-05-21 00:00
旅は終りましたが、まだつづいてるんだ、ホントは。
by match_boxes | 2009-05-20 01:02 | 雑記 | Comments(2)

小箱なバーの毎日