泣きたくなる

BRZ&86が発表になったので早速見学。
f0171518_15295614.jpg
BRZの展示車は県内に二台しかない。86に至っては6月だという。現物を間近に見るのもままならないのだ。久々のスポーツカー、トヨタとスバルの共同開発、と話題豊富だが、実際はどうなの?。

ファストバックのスポーティカーということでトヨタは86と銘打つが、排気量とサイズからすれば、セリカともかぶる。だが、これはハッチバックではなく、独立したトランクをもつクーペだ。開口部の大きいHBは剛性に障るので、リアセクションに一本骨が通るクーペが好ましい。この辺の選択が意図されたものなら、ますます好印象。
f0171518_1531974.jpg
デザインはトヨタでも中身は水平対向積んでるスバルの車である。天地方向に薄いエンジンは、見慣れぬ目にはとてもコンパクト。叔父が乗ってたFF‐1のエンジンルームにスペアタイヤが収まってたのに驚いた記憶がある。見た目にも低重心を実感できる。
細かいが、小さくても重いオモリのようなバッテリーをどこに搭載するかも設計者の本気度が伺える所だと思う。これもファイアウォール側、前車軸より内側に配してある。ボンネットもアルミで軽い。
f0171518_15322988.jpg
着座位置はとても低い。それでも低いスカットルとティルト&テレスコで視界と姿勢は良好。天井にも余裕があり、ヘルメットをかぶっても当たることがなさそうだ。足元もぐっと奥まで伸ばす感じで、ここでも水平対向のコンパクトさを実感。サイド・シルも深くとってあり剛性に寄与しそう。

諸元表で我が愛車と比較してみると、かなりスペックが近い。BRZは全長で200ミリほど短いが、全高・全幅・トレッド・ホイルベース・車両重量・最小回転半径はほぼ同じ。排気量が僅かに小さい分、回さないとトルクが出ないかな。サイズが小さいわりに車重が今一つな気もするが、現代の安全要件を満たしての数値としては妥当か。単純にパワーウェイトレシオで比較すれば、そんなに速い車ではない。スカGやマークX、インプのGTやマツダスピードアクセラなんかのほうがぜんぜん速い。
それでも、この低重心レイアウトは魅力だ。常に全開で走る訳じゃないので、ハイパワーはそんなにいらない。ちょっとした場面で、素性の良さが感じ取れればいい。

サーキット用にタイヤが四本積める、のを確認するためトランクスルーにしてみる。思いのほか広くて驚く。と同時にじわじわ感動が湧いてきた。かつて見てきたFRスポーツはラゲッジスペースが蔑ろにされていた。スポーツ車は遊び車、というのが設計を甘やかし、乗り手に諦めを強いていた。伝統的な国産2シーターなどHB開けるとタワーバーがデンと居座っているありさま。このフルフラットの荷室は、設計がよく煮詰められたと感じる。
f0171518_15333530.jpg
仔細に見てくると、この車は道具としてよくできている。水平対向+FRレイアウトを土台に寄木細工のように設計されている。贅沢に寸法も素材も使ったスーパースポーツには足元にも及ばないが、日本車ならではの工夫がある。限られた寸法と予算でされた緻密な設計は、歴史に残る軽自動車を作った経験、いや、限られた資材で優秀な戦闘機を作った飛行機屋のそれではないか。電気的デバイスも豪華装備もないシンプルなスポーツカーに、意地を見た気がした。泣けてくる。
[PR]
by match_boxes | 2012-02-12 09:28 | 自動車部 | Comments(0)

小箱なバーの毎日
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31