朝風呂を浴びようと外を見れば雨雲重く垂れこむ曇り空。
正式参拝するには正装で。後々の予定を考え朝飯キャンセルして朝一番で臨む、と意気込んでいたが、降り出した雨に心折れて朝食バイキング腹いっぱい。スーツ姿に雨合羽で武装。スパイ映画みたい、とまんざらでもない。
が、やっぱり雨は容赦ない。こーゆー場面じゃクルマは楽チンだねえ。
豪雨の中を峠ひとつ越えて外宮着。青い彗星はすっかりサポートカー。
伊勢神宮外宮。雨の参道がなかなか雰囲気じゃないの。
遷宮なった真新しい外宮。寄進すると神主に中に招かれ二礼二拍手一礼。多くの参拝客の注目浴びて背筋が伸びるスーツ姿。参拝後に歩いた別順路は、雑踏が聴こえない。静かに雨に打たれる境内は悠久の時を感じさせ、立ち去りがたかった。
またカッパ着て移動じゃ難儀だ。タクシーで効率と時間を買う。大人なんだから。
途中立寄り、芸能の神様猿田彦神社。
伊勢神宮の本社、内宮着。外宮も立派だが内宮は規模が全然大きい。
小砂利が敷き詰められた参道はとても広い。
参拝前のお浄めはホトリを流れる五十鈴川で。しっかし、オヤジさんに似てきたねえ。
かなりの樹齢の御神木が聳える。ヘンな柄の傘だな。
内宮到着。参拝客が後を絶たない。衆人環視のなか、ここでも正式参拝。新社殿の隣にはまだ遷宮前の社殿が残されていた。柱が太く立派だ。苔生した茅葺き屋根が20年の歳月を物語る。
大儀を終えて、おはらい町へ。おかげ横丁は参拝客でごった返す。松坂牛ステーキ丼に赤福ぜんざいに松坂牛メンチコロッケ。ああウマかった。
計画より大幅に遅れて伊勢を発つ。渥美半島へ向けてフェリーに乗る。これも初めての経験。
連絡船は思ったより大きく、大型のトラックや観光バスも飲みこむ。
エクストラフィー払って特別室占拠。体休めるはずが、月夜の海に見とれてはしゃぐ。
伊良湖港着。乗船記念に伊勢丸をバックに記念撮影。
国道42号線を延々走り浜松西インターから東名に乗る。遠州灘の海岸線は昼間ならさぞや絶景だったろうなァ。
夜の東名はトラック多し。乗ったらSAで休憩、と約束してたのにカワサキがすっかり忘れてスルー。忘れっぽいのかな。
走っていると、なにやら異様にデカいものが立ちはだかっている。それが富士山と気付くのに時間がかかった。闇に浮かぶ富士山は畏怖を覚える。
日付が変わっても大宮まではまだまだ遠い。高速度で走りながらも自分で運転している気がしない。前を走るGSが右に左にと振られている。居眠りしてるのか?とぼんやり眺めていたらカーナビが警告「居眠り運転です!」やば!オレも集中力失くしてるのか!
深夜に大宮着。最後はヘロヘロの限界ツーリングであった。計画はちと無謀だったが、世にいう「お伊勢参り」を無事に果たすことができた。遠い道のりも、仲間が居ればなお楽しい。走って、食って、笑ったお伊勢様への旅であった。