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トヨタ セリカ LB 2000GT 1977 (アオシマ 1/24) ーいにしえ模型ー

セリカは好きか?
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GT、という記号はベテランのクルマ好きにはグッとくる呼称ではないだろうか。スカG、ベレGとGTを名乗るのは数あれど、商品のグレード・ヒエラルキーの頂点に据える戦略でGT=最上と認識させたのは商売上手のトヨタだろう。別格扱いだったツインカムエンジン搭載車にその称号を与えることでGTという記号はますます輝きを帯びた。

いかにもスポーツカーのZとスポーツセダン派生のスカGに対して、トヨタはスペシャリティカーとしてセリカを充てた。当初はクーペのみだったが、ファストバックを追加したのは本家ムスタングと同じ戦略である。本家は独立したトランクだったが、セリカはリフトバックと称して大きく跳ね上がるバックドアを備え、また違う魅力を創り出してみせた。

子供の頃、従兄弟が白いセリカのLBに乗っていた。ガオオオ…と荒っぽいツインカムの音と、♪キューンキューンとヤンキーホーン鳴らして加速してゆくカッコよさにしびれた。セリカが、GTのセリカが好きだった。

バイトに明け暮れていた友人が大学に「クルマで来た」という。授業がはねて駐車場に行くと、そこには深紅のセリカがいた。従兄弟の乗っていたバナナテールの前期型ではなく、ゴッツイ五マイルバンパーが付いた後期型。それでもセリカLB、しかもGTだ。
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好きだったLBのGT。期待を抱きつつハンドルを握る。しかし、ノンパワステはひどく重く、操舵感は曖昧で真っ直ぐ走らせるのも緊張する。排ガス規制の対策が施されたツインカムは音こそ勇ましいが鈍重な加速でしかなかった。これが一昔前のクルマか…シングルカムながら3バルブの効率の良いホンダに慣れた身には想像以上の古臭さに驚かされた。
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工業地帯の埋め立て地にセリカを停めて眺めてみる。少し曇った空が蒼く暮れてゆき、リフトバックのシルエットが浮き上がる。やっぱりカッコいい。
「バイトの先輩がくれるっていうんだ。でも一年車検だし、下宿のオレじゃ駐車場代も払えないよ」
どうするの?「廃車だろうね」。
帰りの横羽線はポツポツ雨が降り出した。天地が狭いフロントガラスは戦車の覗き窓のように圧迫に感じる。セリカは、もはや時代遅れのクルマだった。それでも、子供の頃に憧れたクルマをとっておけないことが、とても残念だった。

初代セリカは生産終了時に、38万5千台生産した記念車として「ブラックセリカ」を385台販売したことを最近知った。ならばと、ネットの画像などを参考に再現してみた。今でも手に入るアオシマのLBは後期型で好都合だが五マイルバンパー仕様ではない。フロントバンパーはユニオン1/20のLBの余りパーツを切り詰めて使用した。ノーマルバンパー車とはこまごまと相違点があるのだが、雰囲気だけ真似てみた。なかなかカッコいいと思う。やっぱりセリカが好きだ。
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by match_boxes | 2014-10-14 20:56 | いにしえ模型 | Comments(0)

小箱なバーの毎日

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