世はスーパーカーの夢から覚めて、等身大で楽しめるレジャーカーが人気となる。業務用ジープのモノだった4WDも一般的になり、乗用車にも4WDが採用されるようになった。その先駆けとなったのが、スバルレオーネである。 モデル化に恵まれなかったスバル車、しかもスイングバックを手掛けたニチモには拍手を送りたい。
手持ちが一つあるが希少なキットゆえ、組み立てるのが惜しい。オークションでジャンクを手に入れて、ディスプレイモデルとして仕立てることにした。ジャンクとはいえ、プレミア価格であったのは致し方ない。
ニチモこと日本模型、クルマのモデルはキッチリとした好キットが多い。特に1/20乗用車キットは オール開閉を謳いながらモーターライズという豪華なものであった。モーターを無骨なエンジンブロックに隠すためリアル感はないが、エンジンからプロペラシャフトを通じてデファレンシャルを回転させるFRの構造を理解できる知育トイの一面もあった。
このキットは「完全差動装置付き・特許出願中」を堂々と謳い、4WD機構の再現に注力されている。そのパーツ割りは単なる動くプラモデルの域を超えており、ラジコンのシャシーのようだ。複雑な機構は通常の縮尺では収まらず1/18と大柄になっている(タミヤのR2と並べると一興かも知れない)。
4WD知育トイの様相と多くの専用パーツ故の安くはない価格設定で、市場からの撤退が早かったようだ。1/20は度々再販されたが、再びレオーネにお目にかかることは無かった。