子供の頃から夢中になったミニカー、マッチボックスはイギリスで生まれた。その故郷を走る車をモデル化するものだから、どれも日本では馴染みのない車種ばかり。でも、バランスのとれたプロポーション、彫刻の細かさ、カラフルさに魅かれ着々とその数を増し、いまに至る。ヤレヤレ。
マッチボックスはただ実車をミニチュアにしただけではない。ステーションワゴンのリアウインドウから犬が顔を出してたり、アイスクリーム販売車からさアいらっしゃいとばかりに手を広げる売り子とか彫刻されていて、車を取り巻く人々の生活、異国の日常に想いを馳せることができた。
マッチのランドローバーもお気に入りの一つだ。屋根の上に載せられた大量の荷物が、どこに旅に行くのだろう?と見知らぬ国への冒険旅行という夢を掻き立てた。
乗車人員を減らすことなく移動する。車内に入りきらない荷物を屋根に載せる。
ミニバンがこれほど普及するとは想像もしない時代、ワゴンはあくまでセダンデリバリーであり乗用車の派生であった。それを道具として使い倒すのにルーフキャリアは有用であった。
日産のラリーサポートカー。華やかな競技車を支えるため、パーツを満載して過酷なラリーコースをひたすら伴走したのである。ラリーカーとは違った、また魅力ある車両である。
電気屋ではない。ルーフキャリア一つで立派なツノを戴いた雄鹿のように逞しい姿になった。当面屋根に載せるような場面はないが、荷物満載してどこかへ旅する夢をキャリアに載せて走る。