チェリーを初めて見たとき、これは何かが違う、と思わせた車だ。カッコいいクルマの基準が2ドアでクーペかハードトップと思い込んでた子供には、リアオーバーハングの短い車は大きい軽自動車のように見えた。なのに彫が深い顔つきは妙に自信ありげで、微妙なカーブのプレスラインは日産のそれとも違う。シュイ―ンという走行音も聞きなれないものだった。とても興味を引かれるのに、自分の中のカッコいい基準とあまりに違うことに戸惑った。日産初のFF車で、かのプリンス自動車が設計主体だったこと。それを知る今ならばこの車の意義が分かる。
模型は子供の頃に組み立てたものをレストアしたもの。童友社のX1Rのホイルに換えてある。トヨタ初のFF、ターセルと並べてみた。トヨタ初のFF車はチェリー発表から八年の歳月を経なければならなかった。
1999.3.19レストア。
.